最近、中学受験に関する話の中で、模試に関しての相談が多いなと感じます。特に、塾無しで頑張っているご家庭は、この辺の情報が耳に入りにくいようで、中には「小学生にも模試って必要なの?」という方もいます。
模試は何のために受けるのか
模試を受けていないご家庭は、入試の倍率だけでお子さんの合格率を判断していたりします。中には名前を書くだけで受かる学校も存在するので(これは言い過ぎかも)、それも間違いとは言い切れません。「志望校に落ちたら公立に行くし!あまり無理な受験はしたくないの。」うん、分かりますよ。でも、せっかく受験するなら最善を尽くした方が良くないですか?
①現在のレベルを把握するため
お子さんが受験生の中で今どの立ち位置にいるのか、客観的に見ることができます。中学受験を考えるご家庭のお子さんは、恐らく小学校ではかなり優秀なのではないかと思います。ここに落とし穴があります。小学校の勉強と中学受験の勉強内容は全く違うものですし、しかも中学受験には上位層の子供たちが集まってくる。「あれ?思っていたよりうちの子の偏差値低いな・・・。」このギャップに苦しめられる親御さんは多いです。
偏差値は、受験校(いわゆる滑り止め)を決める際にも参考になりますし、冷静にお子さんのレベルを見極めるためには絶対に必要なものだと思います。
②学習の穴を見つけるため
苦手分野を見つけて学習につなげる。出来ないことを出来るようにするのが、成績を上げる一番の近道なんです。だから、模試後のテスト直しはとても大切。上位層は、模試のあとにすぐ解きなおし。ボリュゾは正答率がでてから(40~50%以上の問題を)効率よく解きなおし、類題もできると尚可。下位層も正答率がでてから(60~70%以上の問題を)解きなおしと、基礎問題を徹底的に!がお勧めです。時間や気力がなければ1問だけでも良いです。やらないよりやった方が成績は上がります。
③試験の場慣れをするため
入試には独特の空気があります。この雰囲気に、経験の乏しい小学生はのまれてしまいます。通塾しているお子さんはテスト慣れをしていますが、それでも入試本番はいつも通りにいかないお子さんも多いです。私が塾無しのお子さんを一番心配しているのはここです。親塾で勉強をしっかりして、実力も申し分ないはずのお子さんが当日力を発揮できない・・・そんな悲劇にはして欲しくないです。大勢の人の中で、周りからカリカリ鉛筆の音がして、慣れない会場の中たった一人で闘う経験を、できればして欲しいなと思っています。私立の中学校が会場となることもあるので、本番さながらの試験体験できるのは大きいです。
模試ってどうやって受けたら良いの?
どの模試を受けたら良いか分からない、どうやって申し込んで良いか分からない・・・塾に所属していれば、自動的に受ける模試も決まっていますが、塾無しのご家庭はなかなか判断が難しいですよね。主な模試、無料で受験する裏技をご紹介します。
①首都圏模試センター
首都圏で最多参加数のオープン模試。関東にお住まいで、どこの模試を受けたら良いか分からないという方はまずこちらを受験するのが間違いないかと思います。難易度的にもおすすめ。自宅受験も可能です。
合格判定模試
受験科目
国語・算数(各50分150点満点)
理科・社会(各35分・100点満点)
受験料※2科目・4科目共通
小6:5,500円(税込)
小5:4,950円(税込)
受験会場
自宅・私立中学校等
②日能研
全国で約12,000人が参加。日能研のデータは信頼度が高く、受験後にもらえる入試情報がとても参考になります。日能研生でなくても受験可能です。
全国公開模試
受験科目
国・算(各50分/各150点)
社・理(各35分/各100点)
受験料
4科目/¥6,050(税込)
2科目/¥4,950(税込)
受験会場
私立中学校等
③四谷大塚
こちらも老舗の受験塾ですので、蓄積データは豊富です。
合不合判定テスト
受験科目
国・算(各50分/各150点)
社・理(各35分/各100点)
受験料※2科目・4科目共通
5,280円(税込)
受験会場
四谷大塚各教室・私立中学等
④サピックス
難易度が高いので、御三家などの難関校を志望するお子さん向け。偏差値も低くでるので、モチベーションが下がる可能性もあり模試初心者向けではありません。逆に、難関校を目指しているご家庭は絶対に受けていただきたい模試です。
合格力判定サピックスオープン
受験科目
国・算(各50分/各150点)
社・理(各40分/各100点)
受験料
6,050円(税込)
受験会場
SAPIX各教室・私立中学等
模試を無料で受ける裏技
模試の受験料って高いですよね。実はこの模試を無料で受けられる方法もあるんです。でもこの場合、春先の入塾勧誘や、難関校向けの特別講座勧誘のための入塾テストを兼ねているケースが多く、塾との面談は必須になると思ってください。とは言っても、プロに相談できたり受験情報を得られるという意味ではメリットが多いです。我が家はいくつも無料で受験し、塾でお話を伺った結果、日能研への通塾を決めたので、きっぱりお断わりした塾はたくさんあります。あちらも仕事とはいえ貴重な時間を割いて対応してくださってるので、通塾する意思がない場合は早めにお断わりしましょう。
①駿台・浜学園
進学教室浜学園
・学力診断オープンテスト(2~5年生)
塾外の一般生を対象に、国語と算数のテストを実施。
・公開学力テスト(6年生のみ無料)
通常は有料のテスト〈4,400円)。春先の回のみ無料で受けられる。
・灘中日本一模擬入試(4~6年生)
関西最難関の灘中学校受験者向け。
②日能研プラネット ユリウス
ユリウス
・Nリーグオープンテスト(4~6年生)
国語と算数のテストを実施。
・全国公立中高一貫校 チャレンジテスト(5~6年生)
適性検査になるので公立校を考えているお子さん向け。
③日能研
日能研
・全国テスト(3~6年生)
国語と算数のテストを実施。自宅受験も可。
④四谷大塚
四谷大塚
・リトルスクールオープンテスト(1~3年生)
低学年向けテスト。レベルは高め。
⑤早稲田アカデミー
早稲田アカデミー
・NN志望校別コース(6年生)
なにがなんでも難関校へ!『NN志望校別コース』の選抜なので、受講をお考えの方は是非。
模試で分かるのは偏差値だけじゃない
模試会場では、学校説明会が行われるケースもあります。その学校の良さを知る絶好の機会でもあるんですね。様々な出会いや発見があるのも模試のよいところ。受験料以上の価値が模試にはあると思いますよ。迷った時は、ご自宅から近い会場がある模試を選ぶのが良いと思います。模試を活用して後悔のない受験としてください。