中学受験仲間に、大変面倒見のよいお母様がいます。
塾以外の習い事も手を抜かず、学校の課題も全力で取り組むので度々表彰されていて、みんなのお手本のような親子です。一人っ子ですし専業主婦なので、お母様がある程度時間の融通がきくことも利点なのかも知れません。
でも、この話を聞いていて少し心配になりました。
塾の宿題で解らないところがあると、毎回そのお母様が塾に聞きに行っているそうです。「この先生は反応が早い」とか、「あの先生はちゃんと教えてくれない」とか、いろいろ自慢気に先生の詳細をママ友たちに教えてくれたのです。
スケジュール管理をしっかりして、子供にガッツリ勉強させるのは見習わなければならない点が多いです。けれど、親が毎回塾の先生に質問しに行くのは違う気がしませんか?多分、勉強してるのは母親で、子供は全く身に付いていないような感じがします。
子供が質問にいけないと、ついつい親が口を出してしまう心情はとても良く理解できます。しかし、お節介な意見ですが、質問は子供本人がした方がよろしいのではなでしょうか。
”子供が塾で質問をしてこない”といった悩みを抱えているご家庭は多いと思います。
実際、うちの子供たちもそうでした。なぜかと言うと、
子供:「算数のこの問題が分かりません。」
先生:「まずは考えておいで~。」
子供:『いや、考えても分からないから聞いてるんだけど。冷たくあしらわれるから、もう質問しに行きたくない。』
といった経験から、質問=傷つく負の方程式が出来上がってしまうわけですね。
なぜ先生がこんな冷たい対応をするかと言うと、中学受験において思考過程というものを重視しているからなんです。じっくり考えて悩んで解答に辿り着く力は、昨今の思考力を問う入試問題には絶対に必要です。
そこを理解した上で、子供にアドバイスするとしたら・・・
①試行錯誤した痕跡のわかるノートを持って質問にいく。
がんばって考えた証拠を持参しましょう。
②解き始めのヒントを解答をみて調べてみる。
分からない問題の解答&解説をみることは、悪いことではありません。答えを丸写しするのとは意図が違うからです。恐らく、教わっている算数の先生によって解法も違ってくるので、問題集の解説だけでは理解できないことも多いと思います。解答を見て、ヒントを得て解きなおす。そうすると、どこでつまずいているのか具体的に見えてくるので、質問もしやすくなります。
③「何から手をつけてよいか検討もつかないのでヒントをください。」と言う。
もうお手上げな場合は仕方ないですよね。先生にこう言うと、全く対応してくれないということは無かったようです。
④とにかくめげずに質問に行かせる。
先生も人間ですし機嫌の悪い時もあれば、忙しくてかまっていられない時もあります。とにかく、諦めずにしつこく質問して先生に目をかけてもらいましょう。探求心を持って、理解できるまで食らいついていくことが大事です。
入試当日は、子供一人で戦いに挑まなくてはなりません。
朝起こされなくても自分で起きてくる、漢字や計算問題などのルーティーンに関しては自走できる、自分で質問にいける・・・
最低限のことで良いです。その日までに子供が自立しているかどうかで、入試の結果は大きく変わると思います。